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「杉の花粉」の独断と偏見に満ちた愛読書紹介コーナー

「杉の花粉」の独断と偏見に満ちた愛読書紹介コーナー

◎負け犬の遠吠え:1.転向

負け犬の遠吠え:転向

 12月1日に職場復帰しました。
 担当する仕事が変更され、「そんな下らないことをやってられるか!」という憤怒に似た気持ち。
 辞職する理由を得るために、最期の我儘を言った処・・・。

 所属する組織の長は、一方的に話しだしました。
 私が口を挟む暇もなく・・・。
 でも、私が理解したのは一言だけ。

 「下らないプライドで辞めるなんて詰まらない事をいうな!」

 完敗です。
 全て見透かされていました。
 
 更に情けない事に、この上司の下で働きたい。
 なんて、ガキのような気持ちが芽生え・・・。
 何を言うこともなく職場復帰と相成りました。

 正に『負け犬』です。
 ですが、この3年の内、最も清々しい気持ちでした。
 
 後、何年勤めることになるのか?
 勤労意欲が非常に乏しい私にはハッキリとは判りませんが・・・。
 
 まあ、少なくとも、このオッサンが職場にいる間は、尻尾を振っていようと考えています。

 しかしながら、非常に虚しい毎日です。
 組織の長に『二度と泣き言は言わない』啖呵を切った手前、仕方ないのですが・・・。

 「世の中は、何十億、何百億円なんて取引が飛び交っている中で、全く意味の無い『内規』に縛られ、何千円かの旅費の執行のために何度も上級庁にお伺いをたてる」
 なんて、余りの『下らなさ』に、何故みんなノイローゼに成らないんだ?
 という生活を送っています。

 世の中、こんな仕事でもメシが喰えるんです。
 公務員って何て素晴しい職業なんだろう。

 生まれ変わったら、ゼッテイ公務員なんてなるもんか!

 こんな、そんなで『うつ』からは足を洗いました。 

 『転向』です。

 こんなクソ面白くもない生活で、『うつ』なんて馬鹿馬鹿しくてやってられるか!!! 
 『薬』を飲むのを勝手に辞めてしまった処、キツイ性格が一気に目を覚ましました。
 3年振りに元々の自分に戻った気がします。
 3年も休んだんだから、もう充分でしょう!?

 家内は相変わらず実家から戻りませんので、勝手放題の毎日が待っています。
 
 再び放浪の一人旅を始めるのか。
 バクチ(株)を再開するのか。
 
 今、熟考中です。
 愛猫の背中を撫でながら・・・。

 と、ここまでで終わる予定でした。

 しかしながら・・・。
 世の中、腹が立つことばかり。

 2年ほど前にRDF発電貯蔵庫の爆発事故で消防士2人が亡くなりました。
 非常に残念な事件です。

 その事件に関する判決が最近新聞を騒がせていました。
 RDF発電を設置した行政機関、造った企業、そして消防署の幹部が立件されていましたが、爆発は「予見不可能」ということで全員無罪になったそうです。

 私は無罪になったということに腹が立っているのではありません。

 「どうやって報告すればいいのか」
 被害者遺族の談話です。

 「テメエは無駄死で、上司は無罪になったって仏前に報告すればいいだろうが!」
 遺族の考え方が解せません。

 消防士は非常に危険な職業です。
 火の付いた家屋から取り残された人々を救出したりします。
 常に死と向かい合わせです。
 だからと言って、消防士は死んでも良いなんて絶対に思いませんが。

 しかし、己の生命を危機に陥れてまで人を救うなんて、私ごときにはトテモ信じられない覚悟をお持ちです。
 その生き様は、私の様な「しょうもない人間」にも非常に感動を与えます。
 そして、ただ、消防士は『誇り』を得るだけなのでしょうが・・・。

 その『誇り』ある生き様を、何故遺族が打ち壊してしまうのか?
 
 貯蔵庫の爆発が、RDF発電を設置した行政機関、造った企業、そして消防署の幹部に「予見可能」であるのなら、貯蔵庫の屋根に上って消火活動をしていた消防士も「予見可能」であったということです。

 「何故、消防士自身が危険回避をしなかったのか?」

 それは判断ミスだったのか?
 それは『誇り』だったのか?
 
 私は亡くなった消防士の方々は、『周辺に重大な影響を及ぼす爆発事故を未然に防ぐため必死に消火活動を行い、不幸にも自らの命を犠牲にしてしまった』と思いたいのです。
 彼らの『誇り』のために、彼らは殉職してしまったと考えたいのです。

 それが、遺族の泣き言のために、消防士は『誇りある生き様』というより、単なる犠牲者になってしまいました。
 それは、『誇り』に命をかけた消防士の『死』に、『泥を塗る行為』だと思ってしまいます。

 母親が40過ぎで病魔に魅入られた経験から、家族を失った悲しみは充分に理解している心算です。

 何を言っても、二度と戻って来てはくれません。
 それなら、遺族は、テメエの泣き言では無く、何故、彼らの『誇り』を守ってやれないのでしょうか。
 
 何度か書きましたが、マスコミュニケーションに踊らされた拉致家族問題は大嫌いです。
 戦時下のイラクに素人判断で勝手に潜り込み、拉致された3人は死んでた方がマシだった、と今でも思っています。
 
 ただ忘れられないのが、戦時下のイラクを取材中に殺された元ジャーナリスト事件です。
 元ジャーナリストの奥さん、「皆様にご迷惑をおかけして申し訳ありません。」泣き腫らした目で取材に応じていました。
 ただ一言の泣き言も言わず。

 これだけで、ただ、このことだけで、元ジャーナリストの生き様が透けて見えるような気がします。
 何にも靡かず、ただ自分自身を信じる。
 彼の『誇り』そして『プライド』。
 その彼の『誇り』を守るために一切の言葉を飲み込んだ奥さん。
 夫婦揃って実に仕合せな人生だったのだ納得させられました。

 素晴しい方々です。

 多分、娘が北朝のスパイの癖に、偉そうに講演なんかしている横田夫妻のような腐った人間ばかりを見ていると、本当に亡くなって惜しい方でした。

 教育基本法が改正され『愛国心』なんてクソみたいなもの重要視される教育に転換されるようです。

 でも『負け犬』の私は、『誇り』というものが非常に眩しく感じます。
 多分、私自身に全く欠けているものを求めているのでしょう。

 そんな私が偉そうに言うのは、横田のようで非常に嫌なのですが・・・

 でも、『プライド』や『誇り』を抱いて亡くなった方の生き様に、泣き言で泥を塗ること辞めていただきたい。
 ただ、そう願っています。


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